ペンと紙でまんがかいてみようゼロハチブログ

Gペンや定規の使い方とか、なにか後世に役立ったらいいなと思って作ったブログ

インクは時間経過で意外とだめになるという話

インクの種類はいろいろありますが、
とりあえず開封前には必ずどこかに開封した日付を書きましょう
こんな感じに↓

 

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箱捨てちゃうひとはインクの蓋に修正液で日付書いちゃうといいよ!
なぜかといいますと、インクって見た目そんなに変わらなそうなんですが
インク壺は開けてしまうと、作業中の乾燥や温度や
落ちてきた空気のゴミやらなんやらで、
開けた瞬間から劣化が始まっていき、賞味期限は結構短い文房具なのです。
どう書き味が変わるかというと…


先程の写真の7年前のものを使って試し書きしたのがこちら↓

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 あちこちでインクが途切れたり盛り上がったりしているのが
わかりますでしょうか。
あと、インクの色がとても薄くなります。(もっと年数たつと青みがかってくる)
そしてちょっと手でこすっただけでにじみやすかったり。

パイロット製図用インクなどでは、インクの成分が
沈殿しやすいので、長時間放っておいたときには
1回ぐらい上下反転させて撹拌するとよいですが、
古くなると撹拌してもあまりきれいな黒色発色してくれなくなります。

また、ペン先からのインクの降りがとても悪くなり、
ペン先は悪くないのに途切れたり、
逆に突然ボタッと出てしまったりするようになります。

どのインクをどれくらいたったら捨てる…というのは
作業環境やインクの成分によって異なるので、一概には言えないのですが、
だいたい、開けてから半年以上
半年立たずとも、作業でパイロット製図用インク30ml瓶で
半分以上減っていたら、次回は新しいものに切り替えたほうが
良いかと思います。

墨汁の場合は、生物由来の成分が入っているため
開封後は冷温下で数週間ぐらいしか持ちません。
なので、開封後は2ヶ月程度で切り替えるのがよいらしいです。

小学校の頃放置してた墨汁久々に開けたら
めっちゃ臭かったからあれが腐ってたってやつかもしれない!

インクが痛むと、底の方に、蒸発で濃度が変わったインク成分・
空気中のホコリ・ペン先についていた紙などの繊維が溜まって、
ペン先が瓶底に触れてしまった場合、異形のなにか
釣り上げられるのでご注意ください(捨てよう)


消費需要が高いパイロット製図用インクなのですが
便利な詰替え用インクも売られてます
通称「醤油瓶」

これも開封後から劣化は始まるので
冷蔵庫保存&瓶に注ぐときは古いインクを捨てて
きれいに洗った上で、醤油瓶は軽く撹拌してから注ぐとよいでしょう。

劣化速度は、常時開けている作業用の瓶とちがって、
不純物が入りづらいため、若干ゆっくり目かなとは思いますが、
多分長くても1年以上はおすすめできないかなと。

自分は毎度、継ぎ足しじゃなくて30mlの製品を買い直してます。

 

なるべくインクの劣化を抑えつつ作業するのに便利な有名道具を一つ紹介したく…

 

>>コニックビン<< デデーン

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toshihiko-takagi.com


ツイッターでとても話題になっていたアレです。
これはほんとに作業が捗るので、おすすめです。
めっちゃいい。ほんと。ホントおすすめだから。

これにスポイトで少しずつインクを注ぎ、
もとのインク瓶は蓋を閉じておき、
作業中はコニックビンに分けたインクにつけペンを突っ込んで作画します。

離席時や、一晩ぐらいであれば、
付属の重たい蓋できれいに密封できるので、
蒸発によるインクの劣化が防げます。

もとのインク瓶の方は、開けてる時間が極端に減るのでもちろん
蒸発劣化しづらくなり良いことづくめ。

自分は、付属スポイト2吸分をコニックビンに入れ、
2日間ぐらい作業、のこったインクはティッシュで拭き取り、
新しくインクを注ぐ、
という間隔で作業するとちょうど良かったです。

開明墨汁のツボにいたっては、そのままつけペン入れると
「一体どこまで入れたらインクがどれだけつくんだ!?」
ブラックホォール…ワカラナイ…
ということにいちいち気をつけないといけないのでつらいんですが(笑)
コニックビンに入れてしまえば
ビンの底にガッと当たるまで突っ込めばちょうどいい高さで
ペン先にインクが付くように量を調整できるので、
作業時の精神的負荷がとても楽になります。

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インクは結構デリケートかつ、
ペンで漫画を書くときには一番中心にくるツールなので、
消耗品としてジャカジャカ新しいのを使っていきましょう。


ちなみに、ボールペンやサインペンとかのインクも、
なるべく傷まないようにメーカーさんが苦心開発したインクが入れてあるので、
数年単位で持ちますが、やっぱりこれも劣化はしていくものです。

逆に劣化速度がおそくて、開発された方々はすごいなあと
いつも思ってしまいます。

 

 

パイロット インキ製図用30ml INK-30-DR 30ml 黒
 

 

 

アートカラー 漫画インク ハイグレード 30cc

アートカラー 漫画インク ハイグレード 30cc

 

 

 

インクの種類いろいろ

漫画の画材コーナーいくとたくさんの種類がありますよね
もうすでに心折れますよね
わかります

漫画に使われるつけペン用のインクはいろいろありますが
以下の2種類に大別されます。

【水性】
【耐水性】

耐水性さん、正しい名称は「顔料水性」なので、商品パッケに「水性」と
書いてあっても実は乾くと水につよくなるとかもあります。
素直に「耐水性」って書いてくれてるのもあるけども…

こればっかりはぱっと見て判断できないと思うので、
各商品の公式サイトを見たほうがいいでしょう。

他に区別するパターンとしては「速乾」とかそういうのでしょうかね。
そのへんは作業にそんなに影響しないのでお好みで大丈夫です。


漫画のインクでメジャーなのは以下の3つかなと思います

パイロット インキ製図用30ml INK-30-DR 30ml 黒
 

 自分が使っているのはこれです。
【水性】インク。

とても伸びがよい。スッと紙に染み込む感じ。
ペン先からスルッと紙まで流れていく感じがとてもGood。
製図で使う烏口などでつかいやすいインクの流れ方してるんでしょうね。

ただ、手脂や手汗ですぐ滲む

とてもつらい。
この辺のにじみについては別記事を立てます。
コピック塗りでのカラーイラストでもとても重宝するのではないでしょうか。

 

証券用ってものすごい名前だなあ
これが【耐水性】です。
金色のパッケがめじるし!(箱から出しちゃうとよくわからなくなる)

多分水に濡らしたりしても溶けないから、証券を書くときに使うと
事故があっても中身がわからなくなったりしないぜ!という意味かと。

乾くとインクが盛り上がったように紙に乗ります。
製図用に比べてちょっとインクの流れはもたつくかな。
ペンの上で乾き始めると目詰まりしやすい気もするので、
こまめにティッシュで拭きながら作業するとよいかも。

耐水性なので手汗などにはとても強いので、ペン入れ後の作業で
そうしたものでの事故が怖い場合はこっちを使うといいかと思います。

 

開明 墨汁 70ml

開明 墨汁 70ml

 

墨汁使ってる漫画家さんも多いですね。
小学校のころ、硯でゴリゴリ溶いて使うことを強いられたアレですが
大人になってしまえばこっちのもんです、
もう溶けた状態のものを使えます(ドヤ顔)

耐水性というわけではないのだけど、乾くと水分にはとても強いと思います。

ただ、書いたあとに乾くのがシャレにならないぐらい遅い
乾くのが遅くて、上に紙を乗せてしまったりして、こする事故が多い気がする。
粘度が高くてペン先からインクが降りていくのがとても遅い。
ペン先がとても目詰まりしやすいとも感じます。

そしてインクとしての寿命がとても短い。
腐ります。
インクの寿命については別記事立てます。


証券用と墨汁については、漫画原稿用紙に使われる
ケント紙や厚手の上質紙に使うと、
インクが紙に染み込むというよりも、紙の上にこんもり乗るような
感じになるせいか、消しゴムをかけるとインクがちょっと薄くなる、
という現象もあるようです。

スキャニングやオフセット印刷にはほぼ影響ないレベルかとは
思いますが、それでも気になるとか、
カラーイラストに使うので線画の仕上がりも考えたい、という場合は、
黒色度を謳ったインクも発売されているので、
それを使ってみるといいかと思います。

 

次はインクの寿命のあたりについて記事かければいいなと思います

はじめに

デジタルで漫画を書くことがメジャーになってから10年弱


ぱそこんで絵かくすごい!
ベタとかトーンとかめっちゃはやい!!そして正確!!
昔はトーンはるにもそれ用のソフトなんてなくて
ほんと大変だったもんです(クリスタさんお世話になってます)

インターネットで調べればたくさんのデジタルでの
作画方法のTipsが溢れていて……
そういえばこれだけあるんであればきっとGペンの使い方とかでも
たくさんの情報があるはず…

と思って調べてみたら、(調べ方が悪いのか)デジタルGペン
使い方の記事はあれど、つけペンの方の使い方はほとんど見当たらず

多分この後の時代、Google検索に残らない情報は実質「ないもの」になる
予感がして、この先の時代、宇宙人がコミケ前に攻めてきて
大停電でパソコンが使えなくなったとき
「インクってなんだァー!枠線ってどう引くのォー!」っていう
パニック映画並みの自体が起きるかもしれない。
まあ実際はボールペンでそれっぽく書けば万事解決なんですけども。ふふ。

なので、別にプロでもなんでもないじぶんでもとりあえず
紙にインクで書く漫画の書き方で知っていることを
書いておこうかなとおもってこのブログを作りました。

思いつきながら書くのでカテゴリ分けとかは順次整えていきますので
よろしくおねがいします。

特に絵の書き方を記事にしているものではございません。
これが「正しい」「最効率」「簡単にかける」というものではありません。
パースの詳しい書き方をやるわけでもございません。

あくまで自分の経験での話ですので、
どちらかというと「漫画ってどうやってかくんだろ~ふ~んそうなのか~」
ぐらいの方向けだと思います。


それではよろしくおねがいします